4月12日 物語を抱きしめる

佐佐木幸綱さんの「啄木の発明」というお話を聴きに自転車で小石川図書館へ。 啄木と賢治は、私と同郷だし、二人とも文京区と縁が深いから、こんな機会があれば、できるだけ足を運ぶようにしている。参加者はご年配の方ばっかり。

啄木の発明とは、短い歌の中に物語性を抱きしめた、というところにあるそうだ。けっして主流ではないが、寺山修司はこの流れに影響を受けた一人だそう。ああ、物語か。二人の短歌が好きな理由に納得した。

やや長きキスを交わして別れ来し
深夜の街の
遠き火事かな (『一握の砂』)

啄木は、自分を愛するがゆえ、自分のいのちが愛しいゆえ、いのちの輝く一瞬を歌にしたのだそうだ。

この流れをくむ現代歌人に藤島秀憲という人がいて、3首紹介していた。「二丁目通信」読んでみたい。

予約していた千石の足裏マッサージへ。先生に「どこか気になるところは?」と聞かれ、抜け毛がずっと気になっていて、どうも腎臓と関係あるらしい、と話すと、腎臓のツボを丁寧に押してくださった。終了後、白湯を飲みながら、先生が今読んでいるという、東城百合子の『自然療法』の話をした。

帰りがけに通った吉祥寺のしだれ桜が満開で、思わず自転車を止めて、ピンクのアーチの下を歩いた。

往来堂により、新聞の広告で気になった、上野千鶴子湯山玲子さんの対談『快楽上等!』購入。