10月27日 晴れ、とつぜん冬が来たような寒さ

会社帰り、丸の内の松丸本舗によった。できてちょうど1年のようだけど、「OZmagazine」の本屋さん特集で見るまでその存在を全く知らなかった。松岡正剛という人のことも実は知らなかった。

こんな圧倒的な知性に気軽に触れられる場所が、丸の内にあったなんて!まるで知の巨人の広大な書庫に迷い込んでしまったような、そんな作りになっていた。それでいて、神保町の老舗の古本屋のような辛気臭さがなくて、私のようなミーハーな女にもちゃんと門戸が開かれている感じ。そんな仕かけもちゃんと用意されているのだ。

こんな世界があるんだーと、圧倒されて、本を手にとるでもなく、背表紙を眺めていると、「何かお探しの本、ありますか?」とイケメンの店員が声をかけてきた。知の迷路に迷わないように、コンシェルジュのサービスもやっているようだ。せっかくだから、昨日J-WAVEでリスナーのおススメ本として紹介されていた、『永遠のゼロ』という小説を、著者名も覚えてないのに聞いてみた。松丸本舗では置いていないようだったけど、そういえばここは丸善。3階の文庫売り場にあるので、「お持ちしますか?」と、イケメンコンシェルジュ。この本屋はサービスもコンセプトのひとつのようだ。

総体的な知性をひとつの形として目にして、自分の読書傾向がいかに偏っているかがよく分かった。私がツボのジャンルなんて松丸本舗ではほんの5パーセント。千駄木に引越してきて以来、往来堂があれば十分と思っていたけど、往来堂は小さな街の本屋さん。愛しているけど、規模とコンセプトがそもそも違うのだ。たまには背伸びして、こういう本屋に来ることも必要だなと感じた。