1月24日 気仙沼ニッティング物語

2、3ヶ月待って図書館から借りた、御手洗瑞子著『気仙沼ニッティング物語 いいものを編む会社』読了。いい本だった。泣くような本じゃないはずなのに、何度も涙を流しながら読んだ。私が今心の深いところから求めている働き方がつまっているからだろう。

被災地の支援、東北のおばちゃんたちの手仕事、ローカルだけどグローバル、などなど、魅力的なテーマもたくさんあるけど、私がいちばん心を動かされたのは、作り手が心を込めた分、商品を受けとった人から反応が返ってきて、それを励みにできるところだ。

三國万里子さんデザインのセーターはデザインのクオリティも高くて、高額。でも、そこに物語があるから、ほしい人が絶えないのだろう。たんなる商品の売買ではなく、大げさに言ってしまうと、愛の交換があるから。

マッキンゼー勤務を経て、ブータンで産業育成の仕事をした御手洗さんは(『ブータン、これでいいのだ』もいい本だった)、経営者の厳しい目と公共的な意識ももちながら、気仙沼の人たちと豊かに交流できる人柄で、素敵なエピソードがいくつも書かれている。東京生まれ、東大卒のエリートでこんな人ってなかなかいないと思う。

気仙沼は、子供の頃、夏に家族で大島に旅行に行ったことがある。真っ白いサラサラの砂浜でひろった貝殻が珍しくて、お土産で友達にあげると喜んでくれたことを今も覚えている。

気仙沼ニッティングは週末お店もやっているようだ。あったかくなったら、大島に旅行がてら、お店に行ってみようかな。