旅日記 豊かな、美しい町、モーリオ その2

つづいて、モリブロ一箱古本市に参加した17日の日記。

8時に母の運転で出発。9時少し前に盛岡到着。北上川ぞいの24時間500円の駐車場に車を停めて、受付場所のひめくりまで、本をいっぱいに詰め込んだカートを引きながら、町をしばらく歩いた。 南昌荘、賢治啄木青春館、旧岩手銀行本店。盛岡には暮らしに近いところに古い建物が残っている。

ひめくりで出店場所のくじ引き。ござ九に決定!うれしい。ござ九さんはこんな老舗の荒物屋さん。ふつうに営業してるんですよ。



出店場所の中庭はこんな感じ。奥には立派な扉の蔵がありました。旧家の風格があります。




渾身の作の看板。「books195」が私の屋号。手仕事上級者の母も、刺繍はやらないせいか大絶賛。「買ったのみでだ」


おとなりに出店したのは、ロシアの絵本や紙モノを扱うfolkrolさん。最近まで奥州市でお店をやっていたそうだ。かなり本格的な品ぞろえで、ロシアの絵本や印刷に造詣も深く、聞けば、数年前まで東京にいて、東京蚤の市に出店したり、恵文社に卸したりしていたそうだ。こういう人が故郷の岩手に帰って、新しいことを始めてくれるのは、うれしい。今後の活動に注目したい。ロシアの市のシンボルのピンバッチ(200円)が大人気で、私と母もひとつずつ買った。私は、いつか行きたいという願いをこめて、ハバロフスクのもの。

ときどき店番をかわってくれた母は、自分が出した、手製の布草履に興味をもつお客さんがくると、ちゃっかり営業して、2足売れてごきげんだった。






盛岡の町の中心部には、中津川が流れている。北上川の支流で、あまり増水しないからか、堤防もなく、古い木の橋がかかり、暮らしのごく近くにある。子供の頃は川遊び、通学のとき、デートのとき、仕事の昼休み、飲んだ帰り。盛岡っ子の暮らしのそばにはいつも川があるのだろう。

写真はひめくりの前から。ちょっとぐらいイヤなことがあっても、川が洗い流してくれそう。こんな川の近くで暮らしてみたい。

母に店番させて戻るのが遅くなったので、ござ九さんの前を早足で歩いていると、通りすがりのおじいちゃんが、のんびりした盛岡弁で声をかけてきた。

「なに、そんな急いでんだー」

盛岡は豊かだ。